冬になると土鍋を使った鍋料理でほこほこと温まりたくなります。じっくり煮込んだ分、体の芯から温まりますよね。土と火でできた土鍋はまるで生きているように、使えば使うほどなじんできます。この味わいのある土鍋を毎日使ってゆとりのある生活を送ってみませんか?

土鍋の歴史

縄文時代

土鍋が登場したのは食事の変化によるものでした。6000〜7000年前の縄文時代は肉食で狩りをし、生肉を食べていました。狩猟民族といいます。しかし、人々は移動をし、食糧を運んだり保存する必要が出てきました。このとき、肉を焼くことをおぼえ、野菜と一緒に食べるようになりました。その後、農耕民族といって米を耕すようになりました。このときに米を食べることができたのは上流の裕福な人たちで、普通の人たちは雑穀を食べてきました。このとき、雑穀を雑炊のように煮ることをおぼえました。竪穴式住居には囲炉があり、皆で囲んで食べる習慣がありました。炉を囲んで体を温めたり、部屋を灯したり、家族と会話をしていたようです。

近代〜現代

しかし鍋という調理器具は長い間神聖なものとされ、現在に伝わるおでんを始めとする鍋料理が普及したのは江戸時代末期、約200年前のことでした。意外と最近なんですね。昭和・平成とバブルの後、癒しブームが起こり家の中で過ごす時間が増えました。モツ鍋やキムチ鍋も流行になり、家族との団欒が見直されました。最近は携帯電話・パソコンなど電化製品の発展も目ざましく、IHクッキングヒーターという電気調理器も登場しました。手軽な便利さを求める傾向と時間がかかっても質の良さを求める傾向にあるようです。

鍋の種類

鍋にはいろいろな種類があります。日本の鍋だけでも鉄鍋、銅鍋、石鍋などたくさんあります。電気調理器というのも登場して、調理器具も変化しつつあります。調理方法によって鍋を選ぶのも料理がおいしくなるポイントです。こうした新しい調理器との比較もしていきます。

土鍋:成型した粘土を焼いて釉薬(ゆうやく)を塗ったもの。保温力がある。
鉄鍋:熱が伝わりやすい、鉄分が含まれる。
銅鍋:熱を伝えやすい、銅が含まれる。
石鍋:土鍋と似ているけど、焼くことを目的にした韓国や中国に多い鍋。
ホーロー鍋
:保温性があり、さびにくい。
耐熱ガラス:保温性が良く、さびにくい鍋。電子レンジやオーブンで加熱できます。
圧力鍋:圧力で加熱する鍋。余熱を使い、短時間で調理できる。

土鍋の特徴

土鍋は熱が伝わりにくいため、長時間の煮込み料理に向いています。温まりにくいけれど冷めにくいという特徴があります。

土鍋の長所
  • 味が染み込んで冷めてもおいしい
  • 温かみのあるデザインでテーブルに置いても違和感なく、家族で食卓を囲むことができる
  • 保温効果があり、その場で温めることができるので、できたての温かい料理が食べられる
土鍋の短所
  • 重い
  • 温度変化に弱いので取り扱いに注意をしないと割れてしまう

土鍋ができるまで

土鍋の作り方はいろいろありますが、大まかな流れを説明します。

  1. 土を選びます。土にはやわらかさ、粘り気、粗さなどの違いがあります。土を扱いやすいように下準備をし、手で練ったり足で踏みます。
  2. ろくろ台の上にドーナツ型の台をのせ、粘土で固定します。さらに土鍋の型をのせます。型に土を入れて形を作ります。
  3. 充分に乾燥させて型から出します。形を整え、もようをつけます。
  4. もう一度水分を蒸発させ、素焼きをします。
  5. 釉薬を塗って草花や鳥などの絵付けをし、もう一度乾燥させ、窯で焼きます。絵は赴くままにさらっと描くと素朴な作品が仕上がります。だいたいが1250℃前後で焼きますが、温度・時間・酸素・焼くときの土鍋の位置によって仕上がりは異なります。

釉薬とは…焼き物を作るときに塗る薬のことで、汚れを防いだり水が染み込まないようにする役目をします。釉薬は市販のものも販売されてますが、灰や土を合わせて長い時間寝かせたものを使うと、土鍋と釉薬の相性を見ながら調節することができます。

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